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耳の役割は音を聞くことです。顔の横にふたつくっついた耳は、音がどの方向から聞こえてくるかをとらえることができます。
そこで、名前を呼ばれたらクルッとふりむくことができるし、車が近付いてきたら道路の端のほうによって車を避けることもできます。楽しい音楽を聞くのはわたしたちの喜びの一つです。ほかの人の話を良く聞くことは、おたがいに心を通わせ、親しい関係を作るために、大事なことです。耳にはもう一つ、大切な役割があります。体のバランスをとることです。歩いたり、走ったりしても、つまずいたり、転んだりしないのは、耳の奥にバランスを取る装置があって、うまく働いているからです。
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新生児は、生まれてまもなくすると音に反応するようになります。月日がたつにつれて乳児の音に対する反応の仕方が違ってきます。又、乳児の聴覚は日常の生活のなかで両親の声やいろいろな環境音を聞くことによって発達していくものです。乳幼児の聴覚には、環境が大きく影響しているといえます。したがって呼びかけや音の少ない環境にある乳幼児は正常な発達が望めなくなります。
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私たちは普段どんな音を聞いているのでしょうか。環境としての音の中身を知っておきましょう。人の声は叫べば大声になり囁けば小さい声になります。20〜70デシベルの範囲です(0は健康な聴力で聞こえる最低限度を言います。)。音の高低、強弱は一般的に70〜80デシベルを中心にしています。120デシベルくらいの音をしょっちゅう聞いていると耳の中の音を聞く装置が故障してしまうこともあります。
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耳は音を聞く器官であるとともに、同時に身体のバランスをとる、平衡感覚をつかさどる器官でもあります。そして音の方向を探るレーダーの役目もします。
耳の中の三半器官がバランスをとるための装置で、この中に液体がつまっていて、くるくる回るとこの液体も動きます。この液体が耳の周りにある迷走神経を刺激して、気持ちが悪くなるのです。
音は水の波紋のように広がります。耳が顔の両側にあることによって音をキャッチする時間にズレが生じてそのズレによって音の方向を知ることが出来るのです。
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私達は普段、地面や床に足をつけて生活しています。ブランコやエレベーターのように、いつもと違う動きが加わると、身体のバランス装置が働いて、スーッとするのです。こどもがブランコをよろこぶのは、バランス装置がまた未発達なために、この感覚がおもしろいと感じるのです。大人には嫌な感覚として感じてしまうのは、平衡感覚が発達しているためです。これと同じ様に、乗り物酔いも平衡感覚が未発達な四才位まではほとんどありませんが、四才頃から思春期頃までは、この平衡感覚が発達段階にあり、自分でコントロールできないために、乗り物酔いになってしまいます。平衡感覚が発達すると乗り物酔いも少なくなります。 |