【金田我天 プロフィール】
小学校の元教師でこども園園長暦は20年。出版社で絵本の編集にも長く携わってきた。
現在、園長を続ける傍ら保母さんや保父さんになる学生たちの専門学校で保育原理を、看護学校で教育学の教鞭をとっている。
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「 ネイチャーゲーム 」
自然の中の一員として人間が存在していることの意味を、ジョゼフ B・コーネルが体系化して刊行した本の題名。これは、自然との付き合い方や遊び方を、青少年向けに著したものである。
この本に書かれている自然との付き合い方を、子どもとの付き合い方に置き換えてみると、参考になることが多い。子どもはもともとナチュラルな生き物なのだから。
「 なぐりがき 」
手や腕の運動のあとのしるしにすぎない線や点が、腕の動きに1つのリズムが生じ、左右前後の往復動作から渦巻きのような円形などへ発展していく表現活動の第1歩。2〜2歳半頃を「なぐりがき期」と呼ぶ。
子どもは、いっしょうけんめいに描いているのに、乱暴に描くという意味の「なぐりがき」と呼ぶのは、おとなはわかっていない!
「 喃語 」
ブーブー、アーアーなど特定の意味を持たずコミュニケーションの手段とならない乳児の発声。反復性があり、同じ音声、音節の繰り返しが特徴。
今の漫画のせりふは、ほとんどが喃語である。よく意味が分かるなあ。ゲロゲロ。
「 ナ−サリースクール 」
保育所のこと。しかし、外国では日本とは制度が違うためにその性格から、デイケアーセンターと呼んだり、キンダーガーデンと呼ぶことがある。
ナースというとすぐ「看護婦」と思う人が多いが、「保母」という意味もあるのに…。まだまだがんばらなければ。
「 語文 」
「ママ」「ブーブー」などの名詞の1語文に続き、「ネンネ」「チョウダイ」のような動詞の1語文が表われ、生後16〜19ヵ月頃になると、「ママ、ネンネ」「マンマ、チョウダイ」というような2語文発話をするようになる。
「ネエ、チュウシテ」もやはりまだ助詞が入らない2語文である。
「 ニーズ(ド) 」
必要、要求、不足、欠乏などと訳される。福祉ニーズは、社会福祉の援助が必要な状態を言う。
今の子供たちにとっての1番のニーズ(不足しているもの)は施設でもなく、制度でもなく親の愛情かもしれない。
「 二重保育 」
母親の勤務時間が長いために、保育所の終了時間に間に合わず、夕方子どもを保育所に迎えに行く人を頼んだり、個人の家や他の施設に子どもの保育を委託しなければならない状況をいう。
保育時間の拡大と保母の勤務時間の短縮のはざまで、もうすでにほとんどの子どもは二重保育と同じ状況である。
「 日光浴 」
日光が皮膚に当たると血管が拡張し血行が旺盛になり、皮膚の機能をよくする。そして紫外線(UV)がビタミンDを生成し、カルシウムの吸収や骨への沈着を促す。
紫外線の当たりすぎは皮膚がんや白内障の原因。何事もほどほどに。
「 乳児 」
児童福祉法や母子保健法では満1歳に満たないものを乳児という。通常こども園では0、1歳を乳児、2歳以上を幼児と言ったり、2歳以下を乳児、3歳以上を幼児と言ったりする。
実態は、乳児期はどんどん少なくなり(乳を飲まずすぐミルクにしてしまう)、幼児期は長くなっている。(いつまでも幼い)。
「 ぬたくり 」
クレヨンや絵の具などをむやみになすりつけることを言う。幼児の描画の発達段階として必ず通過する時期である。これによって材料の性質や扱い方を探ったり、うっせきしたものをはき出しているとも言われている。
へたな絵や字をかくことも「ぬたくる」という。へたな字を書く人も何かうっせきしているのかな。
「 ねらい 」
幼稚園教育要領では「幼稚園終了までに育つことが期待される心情、意欲、態度など」であり、保育指針では「子供が保育所において安定した生活と充実した活動ができるようにするために保母が行わなければならない事項及び子どもの自発的な、主体的な活動を保母が援助することにより子どもが身につけることが望まれる心情、意欲、態度など」を示したもの。
「幼児に指導することが望ましいもの」という改定前のねらいのように、いまだに子どもをねらい撃ちにしている人がいる。
「 年間カリキュラム 」
「年カリ」とも言い、1年間にわたる指導計画のこと。長期の発展性を考え、子供の姿を予測し保育内容の大筋を明らかにする。
事前に立てる「指導計画(けいかく)」のはずが、途中で立てる「指導経過(けいか)」や、過ぎて立てる「指導結果(けっか)」になってしまうことがある。
「 年齢別保育 」
同じ年令で集団を構成し保育すること。たてわり保育に対応して「よこわり保育」といったりする。対語として、異年齢保育、年齢混合保育、解体保育などがある。
普通、無精者のことを「たてのものをよこにもしない」と言うが、保育界では長い間、「よこ(わり)のものをたて(わり)にしない」無精者が多かった。
「 ノンアタッチメント・ディジーズ 」
スキンシップが少ないと、情緒の発達不全が生じ、表情が乏しくなったり、無気力になったり、逆に攻撃的行動が激しくなったりする。
スキンシップがきわめて少なかった子どもは、初めはかなりスキンシップをいやがるらしい。「いやだいやだも好きのうち」という言葉を思い出してほしい。
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