【金田我天 プロフィール】
小学校の元教師でこども園園長暦は20年。出版社で絵本の編集にも長く携わってきた。
現在、園長を続ける傍ら保母さんや保父さんになる学生たちの専門学校で保育原理を、看護学校で教育学の教鞭をとっている。
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「 愛着(アタッチメント)」
生れながらに持っている、母子間の情緒的な結び付きを言う。乳児の行動に対する母親の働きかけなどの母子間相互作用により、しっかりと形成され、これが乳幼児期では最も重要である。これが十分でないと、乳児は心身共に不健康な状態に陥る。
最近、保護者のなかに、仕事への愛着が捨て切れないで、ついつい子供を後回しにしてしまうことが多く見られる。
「 アトピー 」
「不思議な病気」という意味で、遺伝性過敏症のことを言う。この一種に、アトピー性皮膚炎という湿疹があり、治療法には適切なものがない。学令期までに80%が治るといわれているが、子供の皮膚炎のなかで最も患者数が多い。
最近、アトピー体質の食事療法が注目され、こども園にそのような子がいて、食事制限を個別食で対応しているということが、他園との話のなかで1つのステイタスになっていることが多い。
「 遊び 」
保育所保育指針、幼稚園教育要領などのなかの「遊び」とは、興味・関心をもってする自発的な活動のことを言う。この「遊び」は子供にとって生活そのものである。
大人にとって良くない「遊び」はよく身を滅ぼすが、子供にとっても、興味も関心もないことを、無理やりやらせる「遊び」は、身を滅ぼすことがある。
「 アンファン・テリブル 」
ジャン・コクトーの小説の題名「恐るべき子供達」(アンファン・テリブル)のこと。転じて、早熟で、大人の意表をつく行動をとり、大人たちからみて、脅威を感じる子供達のことを指す。
若い女性のなかには、「エレファント・マン」と勘違いして、恐れることが多いが、アンファン・テリブルも、エレファント・マンも、決して自分のせいでそうなったわけではない。
「 育児サービス 」
厚生省では、「保育問題検討会」設置し、保育所を児童福祉法に設定されている児童福祉施設から切り離し、保育サービスの向上を目的とした「保育サービス法」(仮称)の制定も考えている。平成5年1月22日の「官庁速報」でこのような報告があった。これ以降、マスコミなどで盛んに使われるようになった言葉。
福祉をサービスと言うと抵抗のある人がまだいるけど、特に保育は教育に近い部分があると言いわけをして、今までは、ややサービス精神に欠けていたのかもしれない。
「 育児用品規格 」
わが国では、育児用品に対し種々の規格を決め、その安全性をはかっている。JISマークは、日本工業標準審査会によって審議され、乳首、おむつカバー、衣類などについているもの。Sマークは、通産省で「特定商品」として基準に合格したもので、ベビーフードなどについている。SGマークは、製品安全協会の検定に合格したもので、乳母車、三輪車、歩行器、ブランコ、2段ベットなどについている。その他のがん具には、STマーク、Qマークがある。
職員のレクリエーションで、保育室からアルファベット探し競争でもしてみたらおもしろいかも。
「 一時保育 」
平成2年6月厚生省家庭局通知で出された保育事業。非定型保育サービス事業(保護者の就労形態などにより、家庭における保育が断続的に困難となる児童に対する)と緊急保育サービス事業(保護者の傷病、入院などにより、緊急一時的に保育を必要とする児童に対する)をあわせて実施するようにしたもの。
一時預かりと聞くと、歩き回るときに重くてじゃまになる手荷物を粋に預けることを思い出すが、そういうことにならなければいいけど。
「 犬食い 」
食器を机のうえに置いたまま、食器に口をつけて、犬のように食べる様を言う。食事のマナーの悪さを代表して言うことがある。
親は、食器の悪さから、学校、園のせいだと言い、学校、園は、親の子供に対するしつけの悪さだというように、双方で責任を擦りつけあうことを言う。
「 異年齢保育 」
地域での異年齢集団で遊ぶ機会が少なくなった子供達のために、幼稚園や保育所のなかで、意図的に、縦割り保育のように異年齢集団を作って保育することを言う。
子供には、みんなと仲良くするように言っていながら、保育者の異年齢集団では、とかく冷たい戦争が起きる。
「 一斉保育 」
保育者が子供に経験させたいと計画している活動を、同一時間内に、同一場所で、同一内容を、同一方法で幼児に経験させる保育の方法を言う。
要するに、少ない人数で、力づくで、より多くの子供を保育するときに有効な、保育形態である。
「 うつぶせ寝 」
日本では、乳児をあおむけに寝かせることが多いが、欧米では、うつぶせに寝かせることが一般的である。うつぶせにすると、首の座りや寝返り、はいはいなど運動機能が多少早く発達するといわれている。しかし、窒息には十分注意する必要があり、最近では、突然死に関係があるのではないかといわれている。
昔、パパ、ママと呼ばせることがモダンであったように、少し前まで、うつぶせ寝がモダンであったことが、一挙に普及する原因になった。
「 英才教育 」
その子の持っている優れた才知、能力をさらに発達させる目的で、そのための刺激や訓練、学習等をさせる特別な教育をいう。
少し前まで、塾のコマーシャルコピーであったが、最近は、こども園、幼稚園のコマーシャルコピーとしての活用が多い。
「 エンジェル係数 」
総支出に占める乳幼児にかける支出の割合をエンジェル係数と呼ぶ。生活の程度を表すエンゲル係数(総支出にしめる飲食費の割合)からもじって、最近子ども、特に乳幼児に対してお金をかける傾向が強くなったことから生まれた言葉。
あまりお金がかかる子どもは、お店から見たらエンジェルだけど、親から見ると、サタンに見えることがあるかも。
「 延長保育 」
通常の保育時間は、午前8時30分から午後5時迄。厚生省では、午前7時から8時30分迄と、午後5時から8時頃までの保育をいう。東京都では、午前7時30分から8時30分迄と午後5時から6時までを「特例保育」、午前7時から7時30分迄と午後6時から7時までを「延長保育」、午後7時から10時までを夜間保育としている。
どんどん、親の都合で保育時間が延長されていくことを、「延長保育」ということがある。
「 お集まり 」
自由保育から一斉保育に移行するときや、出欠席などを確認するために子供を集合させること。
保育用語の特長である「お」を付ける言葉の代表である。「お迎え」「おかたつけ」「お帰り」等など。
「 お母さん座り 」
子供に分かりやすく、正座のことを「お母さん座り」や「お客さん座り」と呼び、あぐらを「お父さん座り」と呼ぶ。
子供に分かりやすいようにが、最近よけい分かりにくくしている。正座をするお母さんなんか、いなくなっているから。
「 おたふく風邪 」
流行性耳下腺炎のこと。耳の下にあるリンパ腺が腫れるため、おたふくのような面相になることからこう呼ばれている。潜伏期2〜3週間、発病前7日〜発病後10日頃まで感染力がある。
思春期を過ぎてかかると、不妊症を起こすことは、理由を知っている人は少ないが、その事実だけは誰でも知っている病気。
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